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病医院治療のチェック

養生法としての食事療法

養生法としての民間療法

養生法としての民間療法

 民間療法というと、なにか怪しげな迷信や俗信のたぐい、あるいは、特定の人にだけ効き目がある非医学的な治療法、とお思いになるかも知れません。

 しかし、ここでは、医薬品になるべく依存せずに症状を改善させるための選択肢の一つ、という捉え方をしてみました。見方を変えれば、民間療法もまた、患者さん自身が試みることのできる、自主的な養生法には違いないのです。

 なお、民間療法をまとめるにあたって、まことに申し訳ないのですが、それらが本当に効果があるかどうか、どういう体質の方や病状の方なら効果があるか、というくわしい分析にまでは踏みこんでおりません。その点をまず、あらかじめお断りいたします。

 ただ、最小限、私自身が自分の身体で 「検証済みのもの」 と、単にご紹介しているだけの 「未検証の民間療法」 とには、分けました。もちろん、検証済みの民間療法に関しては、私なりに効果を実感し、折に触れて実践していることを申し添えさせていただきたいと思います。

 それらの情報が、皆さまの、なにかのお役にたてば幸いです。
 と同時に、その療法に過度に期待されることなく、症状の改善がみられない場合は、速やかに、専門の病医院を受診されますよう、くれぐれもお願い申しあげます。

a)検証済みの民間療法

 ここでは、私が実際に試みた、ごく一部の療法について、それもあくまで、自分の印象にもとづく有効性ということで、ご紹介してみましょう。
 内容は、風邪の民間療法、胃腸障害の民間療法特殊な民間療法、の三つになります。

1) 風邪の民間療法

 風邪の時、実際に効果があったと思われるのは、次のような療法です。

 

a. 梅干しネギ湯

 ふつうの大きさのマグカップなどに、火であぶって黒く焼いた梅干し一個分の果肉と、細かく刻んだ長ネギを混ぜあわせて入れ、沸騰して煮え立ったお湯を注いで、直ぐに飲みます。強い発汗作用で、解熱を促進させるようです。

 梅干しは、やや大きめのものを使用し、モチ網などに乗せ、裏返しながら、表皮が炭のように黒く焦げた状態になるまでよく焼きます。アツアツでなくて、少しくらい焼きざましであっても、効果は変わらないようです。ただ、梅干しは、風邪そのものに効くというより、風邪などで弱った胃腸の働きを調整するためのもの、かも知れません。
 ネギは、おもに白い根の部分を使用し、あまり量が少なくては、効果がありません。マグカップの三分の一くらいの分量が適当、かと思われます。

 湯が熱いので、舌などが火傷しないようにゆっくり飲むようにしてください。また、寝る直前に服用すると、より効果的です。

 

b. ショウガ湯

 ショウガをすり下ろしたものに、沸騰して煮え立ったお湯を注いで飲みます。優れた保温作用で、身体の中から温まり、風邪を速く治すことができます。

 さらに保温効果を高めるためには、マグカップ六分の一くらいの強いアルコールに、上記のショウガを混ぜ、そこに湯を注いだものを使用します。ただし、アルコールの量が多すぎて、飲み物全体が生ぬるくなるようだと、効果は半減します。また、お薬などを服用されている場合、アルコールの併用は好ましくありません。
 アルコールは、日本酒などのような口当たりがよい割に度数が弱いものではなく、35%程度のホワイトリカーないし焼酎、ウォッカ、ジン、ウィスキーなどが適当です。

 生のショウガが手元にないときは、チューブ入りの市販のおろしショウガを使用したり、また、薬局などで売っている 「生姜湯」 の粉末で代用させることもできます。

 

c. カリン湯

 ここではカリン湯といいますが、要するに、果物のカリンのエキス分に、沸騰して煮え立ったお湯を注いで飲みます。のどの炎症や咳に、かなりの効果があります。特別な即効性はありませんが、なかなか咳が治りきらないような場合、強いお薬を飲む代わりに、身体に優しいカリン湯を試みられるとよいかも知れません。

 薬局で、「生姜湯」 と似たような商品として、「カリン湯(?商品名は定かではありません)」 の粉末が、市販されています。その他、スーパーでも、カリンのシロップ漬けなどが販売されており、それも、同じように効果が期待できると思います。

 しかし、私がおすすめするのは、常備としてカリン酒を作っておかれることです。カリンは、秋にスーパーの店頭に並びますので、梅酒などの果実酒を作る要領で、35%のホワイトリカーに漬けておくと何年でも保ち、重宝です。咳などの場合には、カリン酒にそのままお湯を注いで服用すればよいのです。

 なお、果物のキンカンも、のどや咳にたいする治療効果を持っていますので、キンカン酒などもおすすめです。

 

d. レモネード

 風邪に速効性があるわけではありませんが、レモネードなども、身体が温まる良い飲み物です。
 ハチミツにレモンの絞り汁を混ぜ、沸騰して煮え立ったお湯を注いで飲みます。ハチミツは、好みですが、小さじに二~三杯くらい、レモンはできれば一個分、少なくとも半個分くらいを使用します。

 レモンに含まれるビタミンCが身体を活性化させ、ハチミツの滋養分が弱った体力を回復させ、風邪を速やかに治すことができます。

 

(続く)

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