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簡単な運動と体操
簡単な運動と体操
a)適当な運動の条件
どんなに身体に良い運動でも、続けなければ、効果は半減してしまいます。
最近のスポーツ医学などの研究にもとづく、科学的な運動もよいでしょうが、なにかと時間に追われる一般のわれわれが、空いた時間に、ほんの片手間に続けられる運動というものには、たとえば、次のような条件も必要なのではないでしょうか。
a. 運動の一連の流れが、短時間で終わらせられるもの
b. あるいは、中断が自由であったり、所要時間の調節ができること
c. 簡単な動作の繰りかえしなど、なにより覚えやすいこと
d. 思い立ったときに、いつでもどこでも、できること
e. 身体ひとつで実行でき、なるべく特別な用具を必要としないもの
f. 運動のもたらす効果が、ある程度確かめられているもの
b)おすすめの運動
以上の条件を、まずまずクリアしている運動の一例として、とりあえずここでは、次の運動 (体操) を、参考図をもまじえて、ご紹介してみましょう。
それは、スクワット、腕立て伏せ、整体体操、足うらツボ刺激の四つです。
1) スクワット
スクワットは、ただ脚を曲げ伸ばしするだけの簡単な繰りかえし運動で、下半身の足腰の筋力アップによいとされます。
所要時間は、連続100回程度おこなって、3分くらいです。回数も自由に調節できますし、連続では大変なら、ある一定回数を1セットとして、一日に何セットかを消化するというやり方もできます。
具体的な運動の手順は、たとえば、下図の説明のとおりです。
まず、両脚を、肩幅程度ないし少し広めに開き、顔は正面を見るようにし、背筋をまっすぐに伸ばして立ちます。この時、両足の親指の間隔は、一帖の畳の短い方のへりの長さ
(ちょうど90センチくらい) を目安にしてもよいでしょう。さらに、両手を頭の後ろで組んで、いったん姿勢を整えますが、この手は、運動中もずっと離さないようにします。
次に、上半身がまっすぐな状態を保ったまま (とくに、頭が下に向かないように注意します)、垂直に身体を落として、股関節を中心とする両大腿部が床と平行になる位置まで、十分に脚を曲げます。
その姿勢から、今度は逆に、脚を伸ばして最初の姿勢にもどします。この脚の屈伸を、適当な回数だけ繰りかえします。
しゃがむ時は、余分な力を抜き、脚を曲げるというよりはむしろ、重力に従ってお尻から落ちるような感じでおこない、反対に脚を伸ばす時は、ためた力 (瞬発力)
で一気に上半身を持ち上げるようにします。運動中も、ふだん通りの呼吸の仕方を止めたり変えたりしないよう、注意します。
2) 腕立て伏せ
腕立て伏せは、腕の曲げ伸ばしの繰りかえし運動で、上半身の腕・肩・背中・胸などの筋肉アップによいとされます。
所要時間は、連続40回程度おこなって、3分くらいです。回数も自由に調節できますし、連続では大変なら、ある一定回数を1セットとして、一日に何セットかを消化するというやり方もできます。
具体的な運動の手順は、たとえば、下図の説明のとおりです。
まず、肩幅程度に開いた両腕を、肘を曲げずに床に着きます。一方、両足のかかと (くるぶしの内側) をしっかり合わせ、また、足のつま先だけが床に着くようにして、全体として、頭から足先までがほぼ一直線になるような姿勢を整えます。
次に、このまっすぐな姿勢を崩さないように注意しながら、肘を曲げて、思い切り顔を床に近づけます。この時、鼻先が軽く床に触れる状態を目安にするとよいでしょう。
その姿勢から、今度は逆に、肘を伸ばして最初の姿勢にもどします。この腕の屈伸を、適当な回数だけ繰りかえします。
顔を床に近づける時は、余分な力を抜き、肘を曲げるというよりはむしろ、重力に従って頭部から落ちるような感じでおこない、反対に肘を伸ばす時は、ためた力
(瞬発力) で一気に上半身を持ち上げるようにします。運動中も、ふだん通りの呼吸の仕方を止めたり変えたりしないよう、注意します。
この運動では、まず、前後の正しい姿勢を保持することに重点を置き、その上で、連続の屈伸回数を少しずつ増やすようにされるとよいでしょう。たとえば、合わせたかかとが離れないように注意するかしないかだけでも、けっこう、運動中の負荷が変わってくるようです。
(続く)
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