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簡単な運動と体操(続き)

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3) 整体体操

 この運動は、四十年ほどまえ私が、ちょっとした身体の故障をきっかけとして、ある整体指圧の医院で教えてもらったものを、自分なりにアレンジし、それ以後今日まで、継続して実行しているものです。
 そのころ私はまだ二十歳くらいで、そういう医院とは無縁の若者であったはずなのですが、たまたま診察を受けた結果では、身体はすでに四十歳くらいの硬さになっているとのことでした。また、その際とくに、この体操をすすめられたのです。

 その先生のご意見によれば、いろいろな病気や故障は、身体のゆがみと硬化が放置され、生体の各部分の働きやバランスが少しずつ失われることで引き起こされる、ものだそうです。そのため、このような運動 (体操) をおこない、常日頃からそのゆがみを矯正し、身体の柔軟性を回復維持してやることで、病気を予防したり、あるいは軽快させることができる、というのです。
 その後、みずから長年その体操を実行してみて、たしかに、病気がなく体調が良い時には、すべての種目をスムーズにクリアできることが、分かりました。ところが、身体のどこかの具合が悪くなると、なぜか、気づかないうちに部分的な硬化が起きていて、ある種目の運動だけが、急に思い通りにはいかなくなるのです。そこでまた、しばらく、その種目を重点的に繰りかえしてやると、症状がいちじるしく緩和されたり、病気からすみやかに回復できたりするのでした。

 こうして、私にとっての整体体操は、健康のバロメーターであり、促進強化をはかるためのものであると同時に、自己治療の一つの手段ともなっているのです。
 ただ、ここで用いた 「整体体操」 の呼び方は、かならずしも普遍的なものではないようで、同じような種目が、他では、「ストレッチ体操」、「ヨガ体操」、「バランス体操」、「ゆがみ矯正体操」 等々の名前で、紹介されていることもあるようです。

 さて、私式の運動の所要時間は、16種目を1セットとして、10分程度です。これらの体操では、それぞれの種目の順序は各自のお好みでもかまいませんが、できれば一通りすべての種目をまんべんなくこなすことが、より効果的であると思われます。
 具体的な運動のやり方は、以下のご説明をご参照ください。また、それぞれの種目は、原則として、同じ動作を二~三回ずつ繰りかえしておこないます。

 なお、身体のゆがみをできるだけ改善するためにも、畳のへりや床板の直線部分などを目印としてうまく利用し、手足の向きや躯幹 ("くかん"は、肩から下腹部あたりまでの身体の主要部分をいいます) のラインを、できるだけ目で見て確認しつつ、この体操を進行されることを、おすすめいたします。

 

a.

整体体操アニメa

 ふつうに両脚をとじて直立した状態、いわゆる "気をつけ" の姿勢をとります。
 そこから、足の膝を曲げないようにして、上半身を少しずつ前にたおし、両手の指をできるだけ床に近づけ、そのまま一呼吸おきます (その体勢を少し保持する、という意味です。以下同様です)。
 この時、両手のひらが床に着くようであれば、ベストです。

b.

整体体操アニメb

 ふつうに両脚をとじて直立した状態、いわゆる "気をつけ" の姿勢をとります。
 そこから、足の膝を曲げないようにして、上半身を少しずつ、しかしなるべく後ろにそらしていき、そのまま一呼吸おきます。
 この時、上半身を垂直状態から四十五度程度にまでそらすことができれば、ベストです。ただ、無理をすると腰を痛めますので、ご注意ください。

c.

整体体操アニメc

 ふつうに両脚をとじて直立した状態、いわゆる "気をつけ" の姿勢をとります。
 そこから、膝をあわせたまましゃがんで身体を小さくしていき、両腕で両膝を抱えこむような姿勢をとります。
 次に、バランスをとりながら、片脚は膝から曲げたままで、もう一方の脚だけをまっすぐ前にのばします。今度は、のばした脚を、ふくらはぎに手を添えるなどして少しずつ持ちあげ、そのまま一呼吸おきます。
 この時、足先を頭の高さにまであげられれば、ベストです。持ちあげている方の脚の臀部は、床に軽く触れていてもかまいません。しりもちを突いたりしないように、バランスに注意します。
 さらに、のばしている脚を折りたたみ、最初の膝を抱えこむ姿勢にもどったら、脚をチェンジし、左右の脚それぞれに同じように試みます。

d.

整体体操アニメd

 ふつうに両脚を前にのばした状態で座り、上半身はまっすぐ立てます。
 そこから、上半身を少しずつ前にたおしていき、くっつけた膝が開いたり曲がったりしないように、しかもできるだけ頭を足先に近づけ、そのまま一呼吸おきます。
 この時、頭が脚につくようなら、ベストです。途中、バランスをとるために、両腕は、共に軽く前方にのばしておくとよいでしょう。

e.

整体体操アニメe

 ふつうに両脚を前にのばした状態で座り、上半身はまっすぐ立てます。
 次いで、あぐらをかくようなつもりで脚を左右に開き、両足のうら同士をくっつけて、真上から見た場合、左右の脚が、膝を頂点として、それぞれ 「くの字」 でつながる姿勢をつくります。さらに、両足のかかとが、なるべく身体 (股関節部分) から離れないように引きつけ、両手で両足をつかみます。
 上半身がまっすぐ立ったその直線的な形をくずさないように、少しずつ前にたおして、できるだけ頭を床に近づけ、そのまま一呼吸おきます。
 この時、両膝が床から離れず、しかも顔がほとんど床につくようなら、ベストです。

 

(続く)

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