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Webデザイン業務について
Webデザインの技能と習得
当店でのWebデザイン業務の位置づけ

 


Webデザインの技能と習得 (続き)

 

c)Webサイト構築ソフトの理解 (続き)

 

4)ファイヤーワークスについて

 

a. ファイヤーワークスの融通性

 

 ファイヤーワークスの最大の特長は、ベクターグラフィックスとビットマップグラフィックスを、一つのソフトの中で、シームレスに作成修正することができることでしょう。
 従来のように、写真画像はたとえばフォトショップで加工する、ロゴやボタンはたとえばイラストレータで描画しなければならない、などという、煩雑なソフトの選択や使い分けは、ここでは必要がありません。
 せいぜい、一時的に「モード」を切り替えるくらいの手間で、臨機自在に、制作作業を進めていくことができます。
 もっとも、当店のように、ファイヤーワークスとのつきあいが長く、その操作にすっかり慣れてしまった現在となると、むしろ、そもそも、なぜベクターとビットマップを、別々のソフトで処理しなければならないのか、の方にこそ、疑問を感じてしまうのですけれども。

 

b. ファイヤーワークスの限界

 

 このように、Webの制作ではとても重宝なファイヤーワークスなのですが、かといって、それが万能のソフトである、とは思いません。たとえば、ファイヤーワークスをそのまま、DTPでの画像処理にも活用できるか、ということになれば、それは、無理だろうと考えます。
 もともと、ファイヤーワークスは、DTPのために開発されたソフトではないのですから、ビットマップ画像の処理の細部の完成度の点ではフォトショップに、ベクターグラフィックスの表現の多彩さの点でもイラストレータに、いずれも、及ばないでしょう。
 しかし、ファイヤーワークスの良さは、Webに最適の画像を、従来のDTP関連の画像ソフトよりも、はるかに「簡便」に作成でき、しかも、ごくスムーズにHTMLエディタ (ドリームウィーバー) へと連携させられる、といった点にあるのです。あくまで、Web画像作成ソフトに徹しているというのが、良くも悪くも、ファイヤーワークスの基本姿勢というか、わきまえている「分」なのではないか、と思われるのです。
 Webは、DTPの亜流として登場したものではなく、それとはまったく別の、新たな表現手段です。となれば当然、そこに掲載される画像などのイメージにたいしても、求められものは、DTPとは、かなりちがったものとなるでしょう。
 もし、かなり乱暴な表現をしてよければ、DTPでは、「あとに残るもの」あるいは主役としての、精緻な画質とかアートとか、が求められています。それにたいして、Webでは、「その場限りの」あるいは引き立て役としての、軽妙な画質とかちょっとした飾りとか、が求められます。そしてそれは、それぞれの画像作成ソフトの開発思想にも直結する、根本的な相違だとも、思われます。
 昨今、フォトショップやイラストレータは、最近のバージョンでとみに、Web画像の書き出し機能を強化しています。それはそれで、それらソフトを支持されてきた、圧倒的に多数のユーザーにとっては、とても歓迎すべきことなのでしょう。
 しかし、まったくの初心者として、Web画像の作成を、ファイヤーワークスによって教えられた当店のような立場からすると、少なくともドリームウィーバーへの引きつぎを前提とする限り、わざわざ積極的に、フォトショップやイラストレータのその新機能を活用するメリットは、あまり感じられません。
 Webには、Web向きのツールがあればよい、というのが、正直な感想です。どんなに優れたDTP画像ツールであっても、それを、Webにも「流用できます」ということと、Webで効率的に「使えます」ということとは、また、おのずから別な問題なのではないでしょうか。

 

c. ファイヤーワークスの活用法

 

 ファイヤーワークスは、ページ単位、あるいは少なくともブロック単位でのレイアウトの現場でこそ、その特長的なスライス機能が十分活かされて、真価を発揮できるソフトだ、と思います。
 ページの「部品」を、必要の都度、単に制作するだけの役割を負わせるという、これまでの画像ツールと同様の使い方をしたのでは、ファイヤーワークスの便利さは、半減してしまうでしょう。
 その意味で、まえのくり返しにはなりますが、ファイヤーワークスを主、ドリームウィーバーを従にした、サイト制作手順が、今現在では、一番望ましい姿ではないかと思われます。

 

(続く)

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