さて、通信講座で、HTMLドキュメントの基礎的なスキルの習得が修了したとはいえ、実際には、インターネットでの公開に耐えられるほどのものが、サイトとしてはもちろんのこと、たった一画面のWebページでさえも、それですぐさま、作りあげられるはずのものではなかったのです。
そこには、たとえていえば、やっと漢字をある程度覚えた小学生と、その漢字を自由に使いこなして文章を発表している大学生くらいの、大きな隔たりというものがありました。
それを痛感させられたのは、HTMLエディタと呼ばれるあるソフトのトライアル版に、たまたま接したからでした。
そのソフトのことは、講座の中で紹介されていたこともあり、興味を覚えて試してみる気になったのですが、添付されているサンプルHTMLファイルをテキストエディタで展開してみて、まさに愕然としました。というのも、そこには、一つのページだけで、難解なJavaScriptを含めたタグが、それこそ何百行ともしれずえんえんと、記述されていたからです。
今の「スキル」からスタートして、これだけのものをコーディングできるようになるまでに、いったい、どれだけの時間がかかるだろう・・・。それはもう、正直いって、不可能に近いことだと思われました。
つまり、今インターネットで目に触れるほどのWebページというものは、とても初心者が、リファレンス片手に習いたてのタグをポツポツと入力し、正面から組み立てていっても、とても追いつけるようなレベルのものではなかった、ということなのです。と同時に、HTMLエディタといわれるその種のソフトの「威力」を、初めて認識しました。
もし、Webデザインというものを、少なくとも「業務」として考えようとするならば、これまでの延長ではまったく駄目で、最低限、Webサイト構築のためのソフトを、完全にマスターする必要があるだろう、ということが、その時点ではっきり分かりました。
こうして、また、新しい課題を、いやおうなく、背負いこむことになってしまったのです。
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