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ドキュメント制作業務について
ドキュメント制作の技能と習得
当店でのDTP業務の位置づけ

 


ドキュメント制作の技能と習得 (続き)

 

b)フォトレタッチソフトの理解

 

1)DTPで必須のフォトショップ

 

 DTPでレイアウトをこなす場合、おそらく避けることができないものの一つに、デジタル写真データの取りあつかいがあります。
 完成した画像を、そのままレイアウトするだけならともかく、ふつうは、画像にちょっとした修正をほどこす必要もできるでしょう。さらにはそれを、商業印刷のステップに誤りなく引きつごうとすれば、複雑な設定などもチェックしなければなりません。
 このため、このようなデジタルデータを加工するための、いわゆるフォトレタッチソフトにたいする理解が、それもかなり専門的につっこんだ程度で、求められます。とくに、DTPの実務においてのフォトレタッチソフトは、アドビ社のフォトショップに限られるといってもよいほどなので、結局、フォトショップの習得が不可欠になります。
 なお、フォトショップを始めとするアドビ社の製品は、いずれも高価ですから、まずトライアル版を入手されて、レッスンされることをおすすめします。ファイルの保存などができないことを除けば、ほとんどの機能は問題なくテストできますし、使用期間の制限もないので、ちょっと工夫すれば、納得のゆくまでレッスンを続けることができます。

 

2)フォトショップと独習

 

 しかし、今までデジタルカメラもまともに触ったことがないような、いわゆるズブのしろうとにとって、最も習得にとまどうのが、このフォトショップによるデジタルデータ (ビットマップデータ) の処理ではないでしょうか。
 そもそもデジタル画像とはなにか?から始めて、画像解像度と出力解像度、解像度と出力線数、色深度と階調、カラーモデル相互の関連、チャンネル、色分解と分版、カラーマネジメントとプロファイルなどなど、恥ずかしながら、いまだに店主は、あれこれ、よくわかっていないというのが実状です。
 学校で系統だった教育や実習をうければ、また、ちがうかもしれませんが、当店のように、市販のマニュアルだけでの習得の場合には、ウィークポイントが最後まで解消されないということを、ある程度覚悟しておく必要があるのでは、と思います。
 書店にいけば、フォトショップのマニュアルが、それこそ星の数ほども並んでいます。しかし、上にあげたような疑問に、懇切に解答してくれるマニュアルは、ほとんど見あたりません。どれもが、ユーザー受けをねらってというか、どうしても効果が派手でしかも結果がすぐに確認できるような機能、マスクとか、フィルタとか、レタッチとか、テキストの作成とか、そのような説明に終始しています。
 その反面、ごく原理的な説明がほとんどなされていないので、たとえ何冊ものマニュアルを、次々に読破ないしはレッスンしてみても、ちっとも、独自の応用に結びつけることができないのです。
 たとえば、「カラーと選択範囲の情報の格納場所」であると、おおざっぱに解説されているチャンネルひとつを例にとってみても、それではなぜ、フォトショップにはチャンネルパレットが必要なのか、といったような、ごく「初歩的な」ことが、よくわかりません。したがって、チャンネルを使えばどのような面白い加工が可能になるかとか、あるいは、どのような場合にはチャンネル情報のどこを忘れずチェックしておかなければならないのか、といった、チャンネルの使いこなしの、ひとり歩きができないのです。つまりは、いつまでたっても、せいぜい、マスクを作成するときにはチャンネルを使用する、といった消極的な理解で、終わってしまうのです。
 ちなみに、フォトショップと似たような画像処理が可能な、マクロメディア社のファイアワークス (DTP用ではなく、Web用に機能が特化されてはおりますが) では、チャンネルパレットがないにもかかわらず、アルファチャンネルの処理にも、ちゃんと対応しているのです。

 

3)フォトショップのポイント

 

 そのようなわけで、当店では、いまだ技能の習得が未熟のため、これといったまとまったご説明ができかねますので、最後に、DTPという目から見て、習得しておくべきと思われる、フォトショップの機能ないしデジタル画像処理の注意点について、項目だけを列記してみましょう。
 但し、このうちの一部、たとえば、カラーマネジメントや線数と解像度などといった、おもに商用印刷にかかわる高度に専門的な知識の理解については、実習や現場での経験をともなわないマニュアルだけでの習得では、おそらく困難かと考えられます。また、レイヤーのあつかいやマスクの作り方など、フォトショップのごく基礎的な操作については、ここでは、すべて省略させていただきます。

 

1. 画像リサイズ時の、解像度と、ピクセル寸法またはドキュメントサイズの関連
2. 印刷時の、出力線数 (網点) と、解像度およびドキュメントサイズとの関連
3. 画像のカラーモードとモード変換、とくにCMYK変換と色分解
4. 色校正とプルーフ設定
5. カラー設定とカラーマネージメント、およびプロファイルの役割
6. 画像取りこみ後の、色調補正、とくにトーンカーブまたはレベル補正
7. 画像出力まえの、画像補正、とくにアンシャープマスク (フィルタメニュー)

 

(続く)

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