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思想の特徴(続き)

霊的思想の特徴(続き)

彼の最晩年の著書である「霊魂と肉体の関係」は、スウェデンボルグの科学的結論と、彼の霊界での体験談とを、彼なりのバランスを取って、まとめあげたものだったようです。

 私には詳細は分かりませんので、「巨人・スウェデンボルグ伝」から引用することで、その概略のみご説明しようと思います。

 彼は言います。

いわく「"霊魂"という力がまず第一段階の流入、あるいは自己顕現として次の段階の"心"になり、ついでそれが次の段階で肉体になり、ここでそれは"自然的"、つまり"物理的"法則に従うものとなる」
「霊魂は自分自身で"衣服をまとうように"自分に有機的な肉体をまと」うけれども、その肉体は、「それ自身としては死んだものであり、ただ神からの力の流入を霊魂を通じて受け容れ」ることで、動いているものに過ぎない。
すべての生命の源泉は、「神性」と呼ぶべきものからのみやって来る。霊界で目にしたその「神性」は、ちょうどこの世の「太陽」のように、大きく輝いて見える。そして、「この太陽は愛、知恵、生命、"霊魂"を放射している」、至高の存在なのだ、と。

 また、スウェデンボルグにとって、「すべての生命の本質は愛」でした。
 そして、それゆえにと、さらに彼は言います。
いわく「人間は肉体を持っている時も失った後でも、愛によって生命を吹き込まれない限り、ただの死んだ形骸なのだ。利己主義から発するものが活力になっている時にも、人間は生きているようにみえはする。しかし、それは霊的には死んだも同然な状態なのだ。」と。

 

科学技術が驚異的に発展したとされる今日においてさえ、スウェデンボルグの結論の真偽については、いまだ明らかではないものが多い、ように思われます。

 もちろん、すでにその正しさが証明されたこともいろいろありますが、とくに霊魂の理論あるいは霊界での体験などは、じつは現在でも、どう解釈すべきかよく分からない、というのがほんとうのところではないでしょうか。

 そして、そのような後世の我々の姿を予見するかのような、スウェデンボルグ自身の味わい深い示唆がありますので、それを最後に、「巨人・スウェデンボルグ伝」からの引用で、ご紹介したいと思います。
 その言葉は、彼が霊界との交流に本格的に着手した、五十代後半に述べたとされるものなのです。そこで、彼は明瞭にこう言いきっているのです。

 

 「人間の心の中には不思議なことが起こっている。それはあまりにも不思議で驚くべきことであるため、筆舌をもって表現することは不可能である。それはまた、見えるもの、見えざるものを含めた人体の中、三次元の自然の世界の中、すべてを含めた世界の中に起こっていることに比べ、数においても無限に多い。そして科学はその中のほんの一部を明らかにしてきたにすぎず、それは大海に流れ入るいくつかの小川でしかない。」

 

参考文献(外部リンク):

書名 著者/訳者 出版社/出版年次
スウェデンボルグの
霊界からの手記(正・続)
エマニュエル・
スウェデンボルグ著
今村光一抄訳
経済界
リュウブックスシリーズ
1988年

スウェデンボルグの
霊界からの遺言
エマニュエル・
スウェデンボルグ著
今村光一抄訳
経済界
リュウブックスシリーズ
1988年

天界と地獄 エマヌエル・
スヴェーデンボルイ著
スヴェーデンボルイ原典
翻訳委員会訳
アルカナ出版
1989年

結婚愛 イマヌエル・
スエデンボルグ著
柳瀬芳意訳
静思社
(リンクなし?)
1989年

霊界日記 (遺稿)
第一~第九巻
イマヌエル・
スエデンボルグ著
柳瀬芳意訳
静思社
1988年

 

 

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