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その生涯

リーディングの特徴

リーディングの事例

リーディングの事例

 ここでは、数多いケイシーのリーディングの中から、四つだけ事例を選んで、ご紹介しましょう。
 最初の事例がフィジカルリーディング (身体リーディング) であるほかは、残りはすべてライフリーディング (転生リーディング) です。
 なお、それぞれの内容については、「エドガー・ケイシー奇跡の生涯」「私は前世の秘密を知った」、そして「転生の秘密」などからの抜粋であることを、あらかじめお断りいたします。

 

エイミー・ディートリックの事例

 ケイシーが診断をおこなったエイミーは、ホプキンスビルの、ある学校長の娘で、当時五歳でしたが、二歳の時にインフルエンザにかかり、それがもとで、精神の発育に異常をきたし、親の見分けすらもはっきりしない状態であった、とされます。
 もちろん、各方面の専門医によるあらゆる治療を受けましたが、症状は改善せず、その頃には、一日二十回ものケイレンに襲われ、思考能力もいちじるしく低下していました。最後にかかった医者からは、きわめてまれな脳の病気で、治療法がなく、いずれ遠からず死んでしまうであろうと、はっきり宣告されていました。

 レインを誘導役として引き出された、この時のフィジカルリーディングの内容は、おおむねこのようだったと伝えられます。
 つまり、患者は、インフルエンザにかかる数日前に、馬車から降りる際に、ステップの角で背骨の底部を打撲し、さほど目立たなかったが、しかし重大な損傷をこうむった。それが直接の原因となって、脳の鬱血を生じ、ひいては精神の発達を妨げるに至った、と。
 加えて、具体的な治療法の指示が与えられ、レインはそれにもとづいて、三週間毎日、彼女を手当しました。

 すると、まずケイレン発作が消滅し、八日目頃になるとずいぶん精神状態がはっきりしてきて、エイミーは、自分の人形の名前を呼び、両親を初めとする身内の人々を、はっきり識別することができるようになりました。
 そして、三ヶ月後には、完全に普通の子供と同じ状態に戻ったのでした。
 後年ケイシーに会いに来たエイミーは、すっかり成長してハイティーンの美少女になっていた、といわれます。

 

デービッド・ホフマンの事例

 この事例はまさしく、人生の不思議な巡り合わせともいうべきものなのかも知れません。

 1936年の5月、ケイシーは、依頼を受けた十三歳の少年 (1923年3月、医者の子供として北京で生まれました) の、ライフリーディングを行いました。その時、催眠状態の彼は、少年の過去生に触れて、このように述べたとされます。
 「私は前世の秘密を知った」からそのまま引用しますと、こうです。
いわく「この実体、いまデービッド・ホフマンと呼ばれている実体は、前世では地上にわずか数週間しか生きていなかった。1910年3月28日午後8時30分に生まれ5月17日朝1時15分に地上を去った」と。そしてさらに「その子は母親の腹の中にいるうちに、大きな心の乱れを体験し、それで霊魂がとどまれなくなった」とも。
 なお、ここで、「実体」と述べられているのは「霊魂」の意味ですし、また、「1910年」とあるのは、正しくは「1911年」の誤りだろうと思われます。

 いずれにしても、この時リーディングの対象となったデービッドこそが、ケイシーの夭折した第二子のミルトン・ポーターの生まれ変わりであったことは、間違いありませんでした。
 ケイシーは、続けて、この霊魂のいくつかの過去生から、少年がやがて直面するであろう身体上の問題点と、精神的な能力や可能性について語り、今生における得難いアドバイスを行うことができたのです。

 この出来事は、子供を死なせた自責にずっと苦しんでいた、ケイシーと妻のガートルードの心を、ほんとうに慰めるものとなりました。そのリーディングから一年後、何も知らされないまま、少年は父親に連れられて、ケイシー夫妻と、最初で最後の対面を果たしたそうです。

 

デービッド・グリーンウッドの事例

 1927年8月、ケイシーは、十四歳の少年デービッド・グリーンウッドのライフリーディングを行いました。
 それは、少年の姉の依頼によるもので、デービッドは、切手集めが趣味で、新聞売りのアルバイトをしながら元気に学校に通う、ごく普通の少年でした。彼の過去生は、概略、このように語られました。

 まず、直前の生では、彼はルイ十四世につかえる忠実な衣裳頭でした。さらにかなり前の生では、ギリシャの商人であった時に、ある権力を濫用しており、それが今生でいささかマイナスの影響を受けている、と述べられました。
 その前は、ペルシャの宮廷医として羽振りをきかせており、その生の影響は、医者になりたいとの隠れた願望として残っている、としながらも、もしその進路を取るときは、当時の陰謀癖がまた表面化するであろう、と警告されています。
 その前のエジプトの生では、イソイスという名の神官として人々に貢献し、その記念碑がエジプトの遺跡に遺されるほどであったこと、またそれらは、今生でのプラスの影響をもたらしていること、などが語られました。さらにさかのぼったアトランティスでは、王位継承者ではあったが、即位する前に、さしたる業績もないまま溺死した、のだそうです。

 そのほか、リーディングでは、消化器系のトラブルに注意すべきこと、衣服ないしは服飾材料に関してのセンスや判断力があること、商才や営業力も秘めていること、などが示唆されたといいます。

 このリーディング記録は、デービッド自身の関心を引かず、ほとんど忘れられた状態だったようで、二十代の半ばになっても、彼はずっと新聞販売の仕事で、あまりぱっとしない収入を得ていました。
 たまたま、リーディングを依頼した彼の姉が、その記録を捨てずに保存していたことから、彼女のすすめもあって、二十七歳のデービッドは、制服メーカーのセールスマンに転職することにしたそうです。
 すると早くも、翌年には、特異な販売予測の才能を発揮して、社内での売り上げナンバーワンにまで成績を向上させることができました。まもなく始まった世界大戦の軍務から戻ると、彼はまたもとの会社に復帰し、さらには経営へも参画できるほどになったのです。

 また、彼が軍隊に志願する頃になって、食物アレルギーを持っていることが明らかになり、これがリーディングで指摘された消化器関係の問題の一つと考えられ、それ以後、彼は、厳格な食事の管理を行うようになりました。
 ケイシーの以前のリーディングは、フランスでの前生で美食を好み体をこわしたことが、マイナスのカルマとなって、今生に引き継がれるであろうことを、示唆していたのだといわれます。

 

ケイシーみずからの事例

 ケイシー自身の過去生も、なかなか面白いものです。

 ケイシーとしての生のすぐ前では、彼は、1742年生まれのイギリス人ジョン・ベインブリッジであって、後にイギリス軍の傭兵として雇われ、アメリカのチェサピーク湾 (ちなみにこの場所は、ケイシーがあれほどこだわったとされる、バージニアビーチのすぐ近くです) に上陸したそうです。
 新世界の開拓を進める方針のもと、ベインブリッジは、辺境地を探る優秀な斥候として、カナダ近辺からフロリダまでを股にかけて、大いに働いたのでした。しかし、それ以外の彼は、いわゆる飲む打つ買うといった、ただの遊び人に過ぎなかったといいます。

 やがて、原住インディアンとの衝突の末、今のシカゴ近郊のディアボーン要塞に立てこもりますが、結局、要塞は陥落してしまいます。この混乱の中、ベインブリッジは、多くの人々を先導して避難させるとともに、急ごしらえの筏に乗せて、オハイオ川を下らせます。しかし、川の両岸を追いかけてくるインディアンの襲来と食糧不足から、生き残ることができた者はごくわずかに過ぎませんでした。
 彼自身も、ある女性を助けるために、自らの命を犠牲にしたのです。そして、ベインブリッジとしての生で、霊魂が浄化されるのに寄与したのは、その最期の、英雄的な振る舞いだけであったようです。

 ベインブリッジのずっと前には、ペルシアの内科医として生きたといいます。彼は、ある戦争で傷つき、砂漠に置き去りにされて、三日三晩苦しみました。その折り、苦痛を忘れるために、肉体と意識を分離するための懸命な努力を試みたのですが、それが、今生のケイシーの特殊な能力に反映されているのでしょう。

 さらにさかのぼるエジプトでの生では、彼は偉大な神官としてあがめられていましたが、自己中心的で傲慢でもあったため、失脚してしまったそうです。その時のマイナスのカルマは、自己を捨てて人々に奉仕するという、今生での償いを求められたのかも知れません。

 

 

 ところで最後に、リーディングそのものではありませんが、「エドガー・ケイシー奇跡の生涯」に述べられた、あるエピソードを、ご紹介させていただきたいと思います。

 1935年のある日、ケイシーは、自分の未来生を暗示するかのような、こんな夢を見ました。その中では、2158年にネブラスカのある町で生まれた子供の姿が現れ、自分は二百年前には、エドガー・ケイシーという名前で生きていたと、周りの大人に主張しているのです。
 ご存知のように、今のネブラスカはアメリカ大陸の内陸の州で、中央部やや西寄り、ロッキー山脈の東に位置しています。しかし、それが、夢の中では、間違いなく海沿いの町となっていたのだそうです。

 つづいて、昔の「ケイシー」なる人物のゆかりの土地を訪れようということになって、飛行船のような奇妙な乗り物に搭乗し、アメリカ各地をめぐるのです。
 すると、アラバマは一部海になっていますし、バージニアビーチの近くのノーフォークが巨大な港へ変貌をとげている一方、ニューヨークは壊滅して少しずつ再建される途中であった、などと描写されています。

 これが、単なる荒唐無稽の夢だったのか、あるいは未来の出来事を予言する夢だったのか、もちろん確かめるすべもありませんが、転生を語るケイシーならではの体験として、私には、たいへん印象的で興味深いことだと思われるのです。

 

 

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