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占いは学問か

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占いは学問か

私は、少なくともある範囲の「占い」は、れっきとした学問だと思います。もちろん、学校で教える種類の学問ではありませんけれども。

 そこで、はっきりさせておきたいのは、学問のとらえ方についてです。
 ここでいう学問は、科学(自然・人文)そのものとは、少しニュアンスが異なったものなのです。つまり、科学的であれば、少なくともそれは学問的といえるでしょうが、逆に、たとえ非科学的ではあっても、学問的なものが存在すると思うのです。

 具体的にご説明しましょう。

 一つは、アインシュタインの相対性理論の例です。

 相対性理論から導かれた予言、たとえば、時間の長さは相対的なものであるという結論は、彼の英知の生み出した帰結であり、その意味できわめて学問的なものでありました。けれどそれは当初、常識と呼ばれるものに反し、それまでの科学的な定説とも矛盾して、つまるところ、非科学的とされるものだったのです。ところが、後年の宇宙観測の結果、その理論的な正しさが立証されるにいたり、彼の学問的な主張は、間違いなく科学的でもあったことが、再認識されたわけです。
 このように、科学は、学問の後から創られたり創りかえられたりする場合があり、宇宙にもともと存在している真理そのものと、かならずしも、完全に同じものではありません。

 

 もう一つ別の例をあげましょう。

 たとえば、私が口から出まかせに、何月何日に大地震があるでしょう、と予言したとします。これは、もとになる根拠がまったくないわけですから、たとえ万一的中したとしても、けっして学問的とはいえません。もちろん科学的でもありません。
 しかし、地震学者が同じような発言をすれば、少なくとも職業的な論拠がある限りは、当たる当たらないは別にして、学問的でもあり、科学的でもあるのです。
 さらに、犬や鳥を初め自然界の生物は、大地震をある程度予知する能力がある、ことが知られています。
 したがって、彼らが、彼らなりの行動で、人間にそれを啓示してくれた場合、それは、彼らの世界での正しい学問的なメッセージなのですが、人はこれを科学的とは言わないでしょう。しかし、だからといって、彼らが間違っているということでもないのです。なぜなら、人間の持っている科学は、残念ながら、彼らの予知能力の理論的な解明ができるほどまでには、まだ進歩していないからです。

 

 超能力者や霊能者、あるいは占い師の場合であっても、まったく同様で、彼らが個人的な霊感とか特別な秘法にもとづいて予言したのであれば、たとえ一見、どれ程非科学的なことに思われたとしても、やはり学問的であるには違いないのです。

 

参考文献(外部リンク):

書名 著者/訳者 出版社/出版年次
アインシュタインの生涯 カール・ゼーリッヒ著
広重徹訳
東京図書
科学技術選書
1965年

 

 

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